魚と絵の具と赤と海

空に形を発見して
それを人に伝えることができるなら
それは危険だ。


遠い日の遠い場所から大きい花火を
独りで見ているような
もしくは白い視界の中
水平線がぼんやりと浮かび
淡い水色が叫んだとして
幼い記憶がひとつ狂い
「どこかで会ったね」と手を触れることができたら
それは恐ろしいことだ。


どこかのPVのように
映像が飛び交い
記憶と未来が一緒に煮えて
それが眼を開けたまま見えるなら
もうそこにいてはいけない。


迷子を自覚して
記憶を愛撫して
未来を憎むなら
虹をどこかで見付けるまで走れ。





病気だ。
私は病気だ。