物凄く寂しいがり屋の一匹狼


一匹でいた。

自分一人だけで生きていけると思ってた。

遠吠えをしてみた。

木霊しただけだった。

いつものこと。

鼻を鳴らして歩きだした。

目の前にふいに現れた一匹の狼。

そいつはどこまでもついてきた。

後ろを振り替えれば常にいた。

気付けばいなければ探し出す始末。

苦笑した。

アイツハドコダ。

遠吠えの理由に気付いた。

側にいてほしかった。

そいつは気付けばいなくなってた。

心が隙間風だらけになった。

裏切られた。

思い込み。

苦笑した。

狼は諦めた。

また自分一人で生きる。

今までとなんら変わらない。

そう思った。

狼はまた自分だけで生きていける。と

また一匹で歩きだした。